「wrx s4 買って後悔した」という声を見て、購入をためらっていませんか?
WRX S4は、2.4LターボとAWDがもたらす圧倒的な走りが魅力のスポーツセダンです。
しかしその反面、燃費の悪さ、高額な維持費、硬い乗り心地といった、購入後に直面する「現実」も存在します。
この記事では、WRX S4の購入で後悔しがちな7つの理由と、それらを回避するための具体的な対策を徹底解説します。
デメリットを正直にお伝えしますので、ご自身の決断材料としてぜひ最後までご覧ください。
WRX S4を買って後悔する人が多い7つの理由
WRX S4(現行VBH型)は、新車価格が400.4万円から477.4万円(2025年モデル)と、決して安い買い物ではありません。
まずは、購入後に「こんなはずじゃなかった」となりがちな7つの後悔ポイントを見ていきましょう。
(※スペック等の基本情報はスバル WRX S4公式サイトも併せてご確認ください)
燃費が悪い(実燃費8-10km/L)
WRX S4で最も多くの人が後悔するポイントが「燃費の悪さ」です。
WLTCモードのカタログ燃費は13.2km/Lと記載されていますが、これはあくまで理想的な条件下での数値。
オーナーの実燃費データ(参考:e燃費の実燃費データ)を見ると、現実の数値は大きく異なります。
- 市街地(街乗り)の実燃費:約6〜8km/L
- 高速道路の実燃費:約10〜12km/L
- 平均実燃費:約8〜10km/L
特にストップ&ゴーの多い都心部では、実燃費が5km/L台まで落ち込むことも珍しくありません。
2.4Lの大排気量ターボエンジンと、常時駆動するAWDシステムを考えれば当然の数値ですが、現代の車としては「悪い」と言わざるを得ません。
さらに追い打ちをかけるのが「ハイオク指定」であることです。
仮に月間1,000km走行、実燃費9km/L、ハイオクガソリン価格を180円/Lと仮定した場合のガソリン代は以下のようになります。
- 月間ガソリン代: (1,000km ÷ 9km/L) × 180円/L = 約19,980円
- 年間ガソリン代: 19,980円 × 12ヶ月 = 約239,760円
これが週末のドライブも含めて月間2,000km走る方なら、月間4万円、年間約48万円がガソリン代だけで消えていく計算です。
この「月3〜5万円」の出費が、購入後にボディブローのように家計に効いてくるのです。
維持費が高い(年間80-120万円)
燃費の悪さとも関連しますが、WRX S4は購入後の「トータル維持費」が非常に高額になる車です。
この点を甘く見て「wrx s4 買って後悔」となるケースが後を絶ちません。
「年間80〜120万円」という数字は決して大げさではなく、以下のような内訳で構成されています。
| 項目 | 年間費用の目安 | 備考 |
| 自動車税 | 43,500円 | 2.0L超2.5L以下 |
| 自動車重量税 | 16,400円/年 | 1,640kg (車検時に2年分32,800円) |
| 自賠責保険 | 約10,000円/年 | 車検時に2年分 |
| 任意保険 | 100,000円〜200,000円 | スポーツカー料率、年齢・等級による |
| ガソリン代 | 240,000円〜600,000円 | 月間1,000〜2,500km走行 (ハイオク) |
| 車検代 (積立) | 75,000円〜150,000円 | 2年で15〜30万円 (ディーラー想定) |
| メンテナンス代 | 100,000円〜150,000円 | タイヤ代(積立)、オイル代 |
| 駐車場代 | 120,000円〜 | 月1万円と仮定 (地域による) |
| 合計 (駐車場除く) | 584,900円〜1,259,900円 | |
| 合計 (駐車場含む) | 704,900円〜1,379,900円 |
特に高額なのが「任意保険料」です。
WRX S4は車両料率クラスが高く(盗難リスクや事故率が高いため)、30代〜50代でゴールド免許・等級が進んでいても、年間10万円を超えるケースは普通です。
さらに、ハイパフォーマンスカー特有の消耗品費もかかります。
245/40R18という大径ハイパフォーマンスタイヤは、交換時に1セット15万円〜25万円。
ターボエンジンはオイル管理がシビアで、3,000〜5,000kmごとの高品質なオイル交換(1回1万円〜)が推奨されます。
これらの維持費を「(価格・グレード詳細)400万円クラスのセダン」という感覚で捉えていると、確実に後悔することになります。
後部座席・荷室が狭い
WRX S4は「4ドアセダン」という形状から、ある程度の居住性や実用性を期待して購入する人がいます。
しかし、その期待は裏切られる可能性が高いです。
後部座席の狭さ:
前席のスペースは十分に確保されていますが、後部座席は決して広くありません。
大人の男性が座ると、膝前スペースはこぶし一つ分程度。
それ以上に問題なのが、AWDの宿命である「センターコンソールの大きな出っ張り」です。
これにより、後部座席の真ん中の席は足の置き場がなく、実質的に「4人乗り」と考えるべきです。
4人乗車自体は可能ですが、長距離移動では後部座席の乗員から不満が出るでしょう。
荷室(トランク)の狭さ:
トランク容量は422Lと、数字だけ見ればまずまずです。
しかし、スポーツ性能を優先したリアサスペンションの設計や、ボディ剛性確保の影響で、トランクの「形状」が実用的ではありません。
特に開口部が狭く、高さもないため、ゴルフバッグは2個積むのがやっと(3個は厳しい)。
ベビーカーも大型のものは畳んでも入らない可能性があります。
「セダンだから家族で使える」という期待は禁物です。
乗り心地が硬い(街乗りで疲れる)
「スポーツカーだから硬いのは当たり前」と頭でわかっていても、日常使いでその硬さが「苦痛」に変わると後悔につながります。
WRX S4のサスペンションは、高速走行やコーナリングでの安定性を最優先にセッティングされています。
特に上位グレード(GT-H EX、STI Sport R EX)に搭載されるZF製の電子制御ダンパーは、モード切り替えで多少の調整は効くものの、最もコンフォートな設定にしても「硬い」と感じる人が大半です。
- 街乗りのゴツゴツ感: 路面の小さな凹凸やマンホールの蓋を逐一拾い、車体に明確な突き上げが伝わります。
- 高速道路の継ぎ目: 首都高などの継ぎ目を通過する際、「ドン!」という強い衝撃が来ます。
- 長時間の疲労: この硬い足回りが、日常の通勤や長距離運転でじわじわと疲労として蓄積します。
試乗の短い時間では「スポーティで良い」と感じたものが、毎日30分、1時間と乗り続けるうちに、「ただ疲れる車」というネガティブな印象に変わってしまうのです。
家族、特に車に興味のないパートナーや子供からは、真っ先に不満が出るポイントでもあります。
リセールバリューが低い(3年で50-60%)
「スバルのWRXはリセールが良い」という神話がありますが、それは先代(VAB型)の「WRX STI」(マニュアル車)の話です。
現行のWRX S4(CVTのみ)のリセールバリューは、残念ながら「低い」部類に入ります。
- 3年後の残価率(目安):約50%〜60%
- 5年後の残価率(目安):約35%〜45%
新車で450万円のグレードを購入した場合、3年後には225万円〜270万円程度の価値まで下落する計算になります。
これは、ハイパフォーマンスなスポーツセダンというニッチなジャンルであること、そして何より「CVT(スバルはSPTと呼称)のみ」のラインナップであることが大きく影響しています。
この手の車を求める層(特に海外)は、依然としてマニュアルトランスミッション(MT)を強く好むため、MTの設定がないS4はSTIのような異常なリセールにはなりません。
また、荒く乗られた個体や、センスの悪い改造を施された車は、リセールがさらに下落します。
「いつか高く売れるから」という期待を持って購入すると、売却時に大きな後悔をすることになります。
ターボ車特有の故障リスク
現行WRX S4に搭載されるFA24型2.4L直噴ターボエンジンは、比較的歴史が新しく、現時点(2025年)で致命的な持病は報告されていません。
しかし、「ハイパワーターボ車」である以上、NA(自然吸気)エンジン車に比べて故障リスクが高いことは厳然たる事実です。
- ターボチャージャーの不具合: 高温・高回転にさらされるターボは、車の部品の中でも特に過酷な環境にあります。オイル管理の不備や経年劣化でターボブロー(破損)が発生すると、修理・交換費用は20万円〜40万円以上と高額です。
- CVT(SPT)の不具合: 275PS/375Nmという大パワーをCVTで受け止めるため、スバルは専用の「スバルパフォーマンストランスミッション(SPT)」を開発しました。しかし、CVTが高トルクに弱いという一般的な傾向は変わらず、保証が切れた後の不具合報告を懸念する声は多いです。CVTが故障した場合、載せ替えには50万円以上の費用がかかることもあります。
- 直噴エンジン特有のトラブル: 直噴エンジンは構造上、吸気バルブにカーボン(スス)が溜まりやすく、定期的な洗浄(ウォルナットブラストなど)が必要になる場合があります。
新車保証(5年または10万km)の期間内は安心ですが、保証が切れた後、これらの高額な修理リスクと付き合っていく覚悟が必要です。
実用性が低い(日常使いに不便)
狭さや乗り心地とも重複しますが、それ以外の面でも「日常使いでの不便さ」が後悔ポイントとして挙げられます。
- 最小回転半径が大きい: WRX S4の最小回転半径は5.5mです。これは同クラスのセダン(カローラは5.2m程度)と比較して大きく、狭い駐車場やUターン時に「思ったより曲がらない」と感じる場面が多くなります。
- 車高が低く、バンパーを擦りやすい: 最低地上高は135mmと、スポーツカーとしては標準的ですが、日常使いでは気を使います。特にフロントバンパーのオーバーハング(前輪より前の部分)が長いため、コンビニの駐車場での「輪止め」や、急なスロープで「ガリッ」と擦ってしまうリスクが常につきまといます。
- 雪道への過信: 「AWDだから雪道最強」と思われがちですが、それは「スタッドレスタイヤ」を履いていることが大前提です。純正で装着されているハイパフォーマンス・サマータイヤは、気温が低い(7℃以下)だけで性能が低下し、雪道では全くグリップしません。AWDを過信して夏タイヤで雪道に進入するのは自殺行為です。高性能なスタッドレスタイヤ(ホイールセットで20万円〜)の購入が別途必要になります。
実際の購入者の後悔の声(体験談4つ)
ここでは、実際にWRX S4を購入したものの、何らかの理由で「後悔」しているオーナーの声をご紹介します。
(※みんカラの口コミページや価格.comのレビューにも、オーナーのリアルな声が多数寄せられています)
実例1:Aさん(30代・会社員)のケース
35歳のAさん(会社員)は、WRX S4 STI Sport R EXを新車で購入して1年半が経過し、その維持費の高さに頭を悩ませているそうです。
『独身最後の贅沢だ!と意気込んで購入し、走りは文句なしに最高』だそうです。
でも、現実的な出費が…。通勤(片道20km)と週末のドライブで月間走行距離が1,500kmを超えるため、ハイオク代だけで毎月3万5千円。
さらに任意保険が年間18万円。『ボーナスは車検とタイヤ交換代に消えそうで、貯金が全くできなくなりました…』と話していました。
性能には満足しているものの、家計が想像以上に圧迫され、後悔の念が拭えないとのことです。
実例2:Bさん(40代・自営業)のケース
42歳のBさん(自営業)は、奥様を説得してWRX S4 GT-H EXを購入したものの、家族からの不評で後悔していると語っていました。
『試乗では電子制御ダンパーのコンフォートモードに感動し、これなら家族もOKだと思ったんです』
『でも、実際に日常使いしてみると、後部座席は突き上げが酷いと。特に子供が車酔いするようになりました』
『私も、仕事で疲れて帰る時のゴツゴツ感が正直しんどいです。高速での安定性は抜群ですが、妻からは「前のミニバンに戻して」と言われる始末です』とのことでした。
実例3:Cさん(50代・会社員)のケース
51歳のCさん(会社員)は、子供が独立したため「走れるセダン」としてS4を選びましたが、実用性の低さで後悔したそうです。
『セダンだから荷物もそれなりに積めるだろう、と…』
『しかし、趣味のゴルフに行く時、トランクにキャディバッグ2個がギリギリで、友人を迎えに行けません』
『開口部が狭くて本当に積みにくい。あと、自宅近辺の道が狭いのですが、予想以上に小回りが利かず、駐車場での切り返しがストレスです』
『レヴォーグにしておけば良かったかも…』と話していました。
実例4:Dさん(30代・会社員)のケース
38歳のDさん(会社員)は、リセールバリューの低さに愕然としたそうです。
『先代STIのプレミア価格を知っていたので、S4もそこそこ良いだろうと期待していました』
『しかし、3年目の車検を前に乗り換えを検討し、買取査定に出したところ、走行距離3.5万kmで新車価格(430万)の55%程度、約240万円という数字が…』
『約200万円の値下がりです。「S4はCVTなので…」と言われました…』
『走りは楽しいですが、資産価値としては期待外れでした』と、後悔をにじませていました。
WRX S4で後悔しないための対策
ここまで読むと「wrx s4 やめとけ」という声が聞こえてきそうですが、WRX S4は決して悪い車ではありません。「期待と現実のミスマッチ」が後悔を生むのです。
では、後悔しないためにはどうすれば良いのでしょうか。
具体的な対策を4つご紹介します。
対策①:維持費を事前にシミュレーションする
最も重要な対策です。「なんとかなるだろう」は通用しません。
上記で紹介した維持費テーブルを参考に、ご自身の状況に当てはめて「リアルな」シミュレーションを行ってください。
- 任意保険の見積もり: 今すぐネット保険などで「WRX S4(希望グレード)」で見積もりを取得してください。現在の等級でも、車両料率の高さに驚くかもしれません。
- ガソリン代の計算: あなたの「月間想定走行距離」 ÷ 9km/L ×(現在のハイオク価格)で、月々のガソリン代を算出してください。
- 消耗品費の積立: タイヤ交換(2年に1回20万円と仮定=年間10万円)と、オイル交換(年3回と仮定=年間3万円)を予算に組み込みます。
- 駐車場代の確認: 必要であれば、月極駐車場の相場を調べてください。
これらの「固定費」を計算し、ご自身の「手取り月収」から引いても生活が成り立つか?
冷静に判断することが後悔を防ぐ最大の鍵です。
対策②:試乗で乗り心地を必ず確認する
カタログやネットの評判だけで判断してはいけません。
必ず「試乗」し、特に「乗り心地」をご自身の感覚で確かめてください。
- 短時間の試乗で満足しない: ディーラーの周りを15分走るだけでは、日常使いの疲労感は分かりません。可能であれば、1時間以上の「長時間試乗」をリクエストしてください。
- 「いつもの道」を走る: 可能な限り、ご自身の通勤路や、近所の荒れた路面、よく行くスーパーの駐車場などを走らせてもらいましょう。
- 「家族」を乗せる: あなたが良くても、家族がNGなら後悔につながります。必ず奥様や(大きいお子様なら)お子様にも同乗してもらい、後部座席の乗り心地を確認してもらってください。
- 全モードを試す: 電子制御ダンパー付きグレード(GT-H, STI Sport)の場合は、Comfort, Normal, Sportの各モードを、街中とバイパスの両方で試し、その「差」が自分にとって許容範囲かを見極めてください。
対策③:セカンドカーとして購入する
WRX S4のデメリット(燃費、維持費、乗り心地、実用性)は、それが「唯一の車(ファーストカー)」である場合に深刻な問題となります。
もし、あなたが日常の足として別の車(例えば、軽自動車やコンパクトハイブリッド)を所有しており、WRX S4を「週末の趣味の車」=「セカンドカー」として導入できるのであれば、後悔する可能性は劇的に下がります。
- 日常の買い物や通勤は別の車
- WRX S4は、走りたい時だけ乗る
この使い方であれば、燃費や乗り心地の硬さは「スポーツカーの醍醐味」として楽しむことができます。これがWRX S4の最も幸せな所有形態かもしれません。
対策④:認定中古車を選ぶ(保証付き)
新車価格の高さ、リセールの低さ、そして故障リスク。これら3つの後悔ポイントを同時に軽減できるのが「認定中古車」という選択肢です。
- 価格: 2〜3年落ちの「スバル認定中古車」であれば、新車価格の70%程度(300万円台前半)から狙うことができます。最も値下がり幅の大きい最初の数年を、前のオーナーに負担してもらう形です。
- 保証: スバル認定中古車には、最大2年間・走行距離無制限の「SUBARUあんしん保証」が付帯します(有償で延長も可能)。これにより、高額になりがちなターボやCVTの故障リスクを、購入後一定期間は回避できます。
新車に強いこだわりがなければ、高品質な中古車を選ぶことは、WRX S4で後悔しないための非常に賢い戦略と言えます。
WRX S4を買って良かった人の声
もちろん、多くのオーナーがWRX S4に満足し、最高のカーライフを送っています。「後悔」の声ばかりではありません。「買って良かった」というメリットを3つご紹介します。
メリット①:圧倒的な走行性能(0-100km/h 5.9秒)
WRX S4の最大の存在意義は、その「走り」にあります。
2.4L直噴ターボ(FA24)エンジンは、最高出力275PS、最大トルク375Nmを発生。
この大トルクを、リニアトロニックCVT(SPT)が途切れなく路面に伝えます。
メーカー公表値こそありませんが、実測の0-100km/h加速は5.9秒前後と、欧州のハイパフォーマンスカーに匹敵する速さを誇ります。
そして、そのパワーを支えるのが「VTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)」です。
通常時から前45:後55とリア寄りのトルク配分を行い、コーナリング中は積極的に後輪へトルクを分配します。
「曲がるAWD」とも呼ばれ、雨の日の高速コーナーや、ワインディング(峠道)での安定感と楽しさは、FF車やFR車では味わえない領域です。
この「全天候型スポーツセダン」としての圧倒的な走行性能こそ、オーナーが最も満足している点です。
メリット②:スバルの高い安全性能
「走り」と「安全」を高次元で両立しているのが、現代のスバルの強みです。
WRX S4には、最新の安全装備「アイサイトX」が標準装備されています(GTグレードを除く)。
- 全車速追従機能付クルーズコントロール: 高速道路での渋滞から巡航まで、アクセルとブレーキ操作をアシスト。長距離運転の疲労を劇的に軽減します。
- 高度運転支援システム: 自動車専用道路での渋滞時ハンズオフアシストや、アクティブレーンチェンジアシストなど、フラッグシップモデルにふさわしい先進機能を搭載しています。
- 高い衝突安全性: JNCAPファイブスター賞を獲得しており、万が一の際の乗員保護性能もトップクラスです。
「速い車は危ない」という時代は終わりました。
WRX S4は「速いからこそ、最高の安全性能が必要」というスバルの思想を体現した車であり、この安心感に価値を見出すオーナーは非常に多いです。
メリット③:所有する満足感が高い
WRX S4は、ただの移動手段ではありません。「WRX」という、スバルがラリーで培ってきたモータースポーツの血統を受け継ぐ「特別なブランド」です。
- 唯一無二の存在感: ボンネットの大きなエアインテーク、張り出したフェンダー。SUVやミニバンが溢れる現代において、WRX S4の「スポーツセダン」というスタイルは際立った存在感を放ちます。
- 独特のエンジンフィール: 水平対向4気筒ターボエンジンが奏でる「ボクサーサウンド」は、他のエンジン形式では味わえない独特のフィーリングがあります。
- 「分かる人には分かる」魅力: プリウスやカローラのように誰もが知る車ではありませんが、その分、同じスバル好きや車好きと出会った時の連帯感は格別です。
燃費や維持費といったデメリットを理解した上で、それでも「この走りが欲しい」「このスタイルが好きだ」という強い意志を持って所有する。
その「こだわり」こそが、何物にも代えがたい満足感につながっています。
WRX S4をおすすめする人/しない人
ここまでの「後悔する理由」と「買って良かった理由」を踏まえ、WRX S4を「おすすめする人」と「しない人」をまとめます。
こんな人におすすめ
- 独身またはDINKS(子供がいない夫婦)の方
- セカンドカーとして趣味の車を持てる、経済的余裕がある方
- 燃費や維持費よりも、AWDの走行性能を最優先する方
- スバルというブランド、「WRX」という名前に強い愛着がある方
- 週末の高速道路クルージングや、ワインディング走行が趣味の方
- 先進安全装備(アイサイトX)を重視する方
こんな人にはおすすめしない
- ファミリーカー(家族4〜5人での長距離移動)として使いたい方
- 月々の維持費(特にガソリン代・保険料)を少しでも抑えたい方
- 車の利用が「街乗り・通勤」メインで、燃費を重視する方
- 硬い乗り心地が苦手な方、または同乗者から不満が出そうな方
- リセールバリュー(売却時の価格)を気にする方
- 狭い道での運転や、駐車が苦手な方
WRX S4は「スポーツカー」であり、「実用的なセダン」ではありません。
この車が持つ「走りの価値」が、高い維持費や実用性の低さといった「対価」を上回るかどうか。
そこが判断の分かれ目です。
関連記事:【2025年】スポーツカー購入ガイド|後悔しない選び方と維持費対策
よくある質問(FAQ)
最後に、WRX S4の購入検討時によくある質問にお答えします。
Q1: WRX S4の実燃費は?
A1: カタログ燃費(WLTC)は13.2km/Lですが、実燃費は大きく異なります。
市街地走行メインで6〜8km/L、高速道路走行で10〜12km/L、トータルの平均で8〜10km/L程度が現実的な数値です。
また、使用燃料は「ハイオク」指定です。
Q2: WRX S4と比較すべき車種は?
A2: WRX S4は「AWD・ターボ・4ドアセダン」という非常にニッチなジャンルに属します。
走行性能や運転の楽しさで比較するなら、トヨタのGR86(FR・クーペ)や、中古のトヨタ 86(FR・クーペ)が有力な候補になります。
ただし、これらは2ドアで実用性はさらに低くなります。
4WDのハイパフォーマンスモデルとしては、VW「ゴルフR」やアウディ「S3セダン」が競合しますが、これらは輸入車であり、車両価格・維持費ともにWRX S4をさらに上回る傾向があります。
Q3: WRX S4は故障しやすい?
A3: 現行モデル(VBH型)は比較的新しいため、大きな持病やリコールは報告されていません。
しかし、2.4L直噴ターボエンジンと高トルク対応CVT(SPT)は、NAエンジンやMTに比べて構造が複雑であり、潜在的な故障リスクは高いと言えます。
特に保証が切れた後の中古車を購入する場合は、ターボやCVTの状態をしっかり確認する必要があります。定期的なオイル交換など、シビアなメンテナンスが長持ちの秘訣です。
Q4: WRX S4の維持費は年間いくら?
A4: 乗り方や走行距離、駐車場代の有無によって大きく変動します。
税金、保険、車検代、ガソリン代、メンテナンス代(タイヤ・オイル)を全て含めると、「年間80万円〜120万円」程度が現実的な目安となります。
特に、月々のハイオクガソリン代と、スポーツカー料率が適用される高額な任意保険料が大きな割合を占めます。
まとめ:WRX S4で後悔しないために
WRX S4は、現代の日本車において数少なくなった「走りに特化したスポーツセダン」であり、唯一無二の魅力を持つ車です。
しかし、その魅力と引き換えに「燃費の悪さ」「維持費の高さ」「乗り心地の硬さ」という明確なデメリットを持っています。
「wrx s4 買って後悔」という結末を迎えないために、購入前にもう一度以下のチェックリストを確認してください。
- □ 年間80〜120万円の維持費を払い続ける覚悟はあるか?
- □ ハイオクで実燃費8km/Lという現実を受け入れられるか?
- □ 試乗して、街乗りでの硬い乗り心地を「許容」できたか?
- □ あなたの用途(通勤、レジャー)と、車の特性(スポーツ特化)は合っているか?
- □ (家族がいる場合)家族の理解を得られているか?
これらの質問に自信を持って「YES」と答えられるなら、WRX S4はあなたにとって最高の相棒となるでしょう。
必ず十分な試乗と維持費のシミュレーションを行い、納得した上で「WRX S4」のある生活を手に入れてください。
