『私が死んで満足ですか?』の登場人物である、ロロナの異母妹・ルミナの結末は多くの読者に衝撃を与えました。
一見すれば、彼女の結末は、自業自得の「罰」に見えます。
しかし本当にそうでしょうか?
最終3巻の番外編に現れた「謎の二人組」の正体こそが、この結末の真の意味を物語っているのです。
ルミナの結末は「罰」?それとも「救い」?
その真相に迫ります。
本記事はネタバレになりますので、未読の方はお気をつけください。
ルミナとは
ルミナは、主人公ロロナの異母妹です。
リュート伯爵の後妻ベルベラッサの娘として生まれ、美貌と華やかさで周囲から寵愛を受けて育ちました。
彼女はニルナ王国の王太子ベルビュートに恋焦がれており、姉ロロナと王太子の婚約に強い嫉妬を抱いていました。
侍女チルレと同様に、姉を陥れるための陰謀を企てます。
しかし、物語の中盤に、ルミナは顔に大きな傷を負い、全てを失います。
その絶望の中で、初めて姉の本当の優しさに気づき、自らの罪を後悔することになります。
ルミナの結末は、他の裏切り者たちとは異なる「救い」の要素を含んだものとなります。
ルミナの結末はハッピーエンドだったのか
『私が死んで満足ですか?』の物語でルミナが迎えた結末。
それは、「自らの罪を悔い、償うために修道院に入り、修道女として生涯を送る」というものです。
姉を陥れ、恋焦がれた王太子からも、唯一の味方だと信じていた両親からも見捨てられた彼女が、自らの意志で選んだ最後の道でした。
しかし、これはあくまで物語の表面的な結末に過ぎません。
本当に重要なのは、彼女がなぜその道を選んだのかという「過程」と、その選択が持つ「本当の意味」です。
そしてその意味は、物語の最後に彼女の前に現れた「謎の二人組」の存在によって、大きく変わってくるのです。
最終話の教会にいた二人組の正体
物語の最大の謎であり、この記事の核となる情報。
それは、最終話の番外編で修道女となったルミナの元をそっと訪れた「二人組」の正体です。
その正体は、なんと隣国の皇子アステルと、死んだはずの主人公のロロナ本人でした。
世間的には死んだことになっているロロナは、髪を短く切り、アステルの部下として男装することでその正体を隠していました。
彼女は、自分を陥れた他の家族や関係者の末路に同情することはない、と断言しています。
しかし、血を分けた唯一の妹であるルミナのことだけは、その行く末を案じていたのです。
その証拠に、ロロナは「R」という名でルミナに花を送り、こうしてアステルと共に修道院を訪れ、静かにその姿を見守っていました。
姉を裏切った妹と、その妹の未来を案じる姉。
この「見守る」という行為こそが、ルミナの結末が単なる「罰」ではないことを示す、何よりの証拠と言えるでしょう。
ルミナの顔の傷と内面の変化
ルミナの運命を決定的に変えたのが、馬車の事故によって顔に負った大きな傷でした。
なぜ、彼女は事故に遭ってしまったのか。
その背景には、姉ロロナを失ったリュース家の急速な財政破綻があります。
ロロナの婚約破棄に伴う支度金の返済に窮した両親は、なんと、高齢でサディストのジル男爵にルミナを嫁がせることで金策をしようと画策します。
信じていた母にまで裏切られ、全てに絶望したルミナ。
彼女は唯一の希望であるベルビュート王太子の元へ馬車を走らせますが、その道中で事故に遭い、美貌の象徴であった顔に癒えない傷を負ってしまいます。
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この「顔の傷」は、彼女から全てを奪いました。
この顔の傷が原因でジル男爵との縁談は破談となり、ベルビュートや両親からも完全に見捨てられます。
しかし皮肉にも、全てを失った絶望の淵で、彼女は初めて人間らしい心を取り戻すのです。
かつて高熱を出した自分を、ただ一人献身的に看病してくれた姉・ロロナの優しさ。
その記憶は、傲慢だった彼女の心に、姉への罪悪感と後悔の念を芽生えさせました。
「自分は、なんて酷いことをしてしまったのだろう」
姉はもういない。償う相手もいない。
その後悔の念こそが、彼女を自らの意志で修道院へと向かわせたのです。
ルミナの結末は罰か救いか
ルミナがなぜこのような運命を辿ったのか?
そして『私が死んで満足ですか?』の物語全体がどのように結末を迎えるのか?
詳しく知りたい方は下記をご覧ください。
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参考:『私が死んで満足ですか?』(著:マチバリ)アルファポリス公式サイト
原作者マチバリ氏の最新情報は公式活動報告をご覧ください。