人気漫画『私が死んで満足ですか?』の登場人物である、リュート伯爵について詳しく紹介を致します。
この物語では、ロロナとの関係はあまり描かれませんが、彼女を苦しめてきた人物には間違いありません。
リュート伯爵とは?ロロナを苦しめた無責任な父親。
リュート伯爵は主人公ロロナの父親でありながら、彼女を苦しめる元凶となる人物です。
彼は家の体面を保つため、娘であるロロナを、王太子ベルビュートの許婚としました。
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これは当時の貴族社会ではごく自然な政略結婚でしたが、この決定が、結果としてロロナの自由を縛り、彼女を物語の悲劇へと導く最初のきっかけとなってしまいます。
また、彼は家の当主としての責任を完全に放棄しており、その自己中心的で無責任な行動が、名門リュート家を破滅へと導きます。
娘ロロナの死を知っても、悲しみすらない非情さ
リュート伯爵の非情さは、娘であるロロナへの態度に最も顕著に現れています。
彼の前妻であり、ロロナの母親は、かつて屋敷に侵入した賊によって無残にも殺されていました。
しかし、彼は妻の死を悲しむどころか、すぐに後妻のベルベラッサを迎え入れ、新たな家庭を築きます。
そんな彼にとって、前妻の面影を残すロロナは、愛情を注ぐ対象ではなく、家の体面を保つための道具でしかありませんでした。
ロロナの死の報告を受けたとき、彼は涙を流し、悲しむ様子を見せはしました。
しかし、それは純粋な悲しみからではありません。
「悲劇の父親」を演じることで、周囲の同情を買い、憐れな自分の立場を慰めてもらうためだけの、邪で、あまりにも幼い感情からくる芝居だったのです。
結局のところ、リュート伯爵にとってロロナとは、生きている間は「家の体面を保つための駒」
死んでからは「自分に同情を集めるための駒」でしかありませんでした。
彼の心には、父親としての愛情など、ひとかけらも存在しなかったのです。
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金策のために次女ルミナをサディストに売り渡そうとする非情さ。
リュート伯爵の非情さは、前妻の娘であるロロナへの態度に留まりません。
彼は、後妻ベルベラッサとの間に生まれた、実の娘であるルミナに対しても、道具として以上の感情を抱いていませんでした。
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家の借金と、王家への支度金の支払いに窮した伯爵とベルベラッサ。
彼らが考え出した金策は、娘のルミナを、金鉱山を経営する高齢のジル男爵に嫁がせるというものでした。
しかし、このジル男爵は、女性を死に追いやることもためらわないサディストとして有名な、危険な人物です。
母親であるベルベラッサでさえ、「子供などまた産めばいい」と、この非道な決定に同意。
リュート伯爵も、金策のためとあらばと、娘を危険人物に売り渡すことを、手放しで喜んでいました。
結局、この話は、ルミナが馬車の事故で顔に大怪我を負ったことで破談となります。
この一件からも分かる通り、リュート伯爵は、自らの体面と金のためであれば、実の娘の幸せや命さえも平気で犠牲にできる、冷酷非道な人間なのです。
愚かな2つの浪費でリュート家を借金塗れに。
リュート伯爵の愚行は、主に二つの浪費に集約されます。これらが、リュート家の財政を完全に破壊しました。
結果、リュート家は借金だらけになり、ロロナは誰にも話すことなく、財政を立て直すために奔走することになります。
ちなみにリュート伯爵は、リュート家の財産が底をついていることを知ったのは、ロロナの死後に管財人のシェザムが告げられ初めて知ったという愚か者です。
というか、仮にも管財人のシェザムは何をしていたのか…という疑問はありますが…
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1.現実逃避の「軍事演習」
リュート伯爵が住むニルナ王国では、平和な時代が長く続き、かつてのような軍人の需要は失われていました。
輝かしい戦功を持つ伯爵も、今や閑職に追いやられ、その心の隙間を埋めるかのように、彼は異常なまでに「軍事」に固執し始めます。
彼は、家の財政が火の車であるという現実から目をそらし、別邸で私設軍隊のようなものを組織して、そこに莫大な私財を注ぎ込みました。
それは、失われた自身の威厳を保つための、愚かで虚しい現実逃避だったのです。
過去の戦功による報奨金で、家の財政は未来永劫安泰だと信じ込む伯爵。
管財人であるシェザムが、どれだけ必死に財政の危機を訴えても、その声が彼に届くことはありませんでした。
2.国の法を犯す「武器・弾薬を密購入」
彼の愚かさは、単なる浪費にとどまりません。
国の法律で固く禁止されている武器・弾薬を密かに購入するという、重大な違法行為にまで手を染めていました。
この行為が、後にリュート家が断罪される決定的な証拠となります。
哀れな結末と末路。ベルベラッサと共に自業自得の一家断罪!
物語の終盤、ロロナを想うアステルと管財人シェザムの連携によって、リュート伯爵が長年隠蔽してきた全ての悪事がついに白日の下に晒されます。
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彼が密かに購入していた国禁の武器・弾薬の証拠は、王家に対する明白な反逆行為と見なされました。
王家の命令を受けた貴族院と軍隊が、リュート家の屋敷になだれ込んできたその時、伯爵と妻のベルベラッサは、王家への支度金をどう工面するかで、醜い口論を繰り広げている最中でした。
彼らは、逃げることも、言い訳をすることも許されず、その場で揃って拘束されます。
それは、栄華を誇ったリュート家が、その当主と奥方の愚かさによって、完全に崩壊した瞬間でした。
輝かしい過去の栄光も、貴族としての体面も、全てが同時に崩れ去り、彼の物語は、最も無様で、哀れな形で幕を閉じるのです。
まとめ:リュート伯爵の結末とネタバレ。
リュート伯爵の物語は、自らの責任と義務から目をそらし、私利私欲に走った権力者が、いかに無様に没落していくかを見事に描いています。
彼の愚かで非情な存在があったからこそ、ロロナの聡明さやシェザムの忠誠心がより一層輝きを増すのです。
彼は、この物語における「悪」と「愚かさ」の象徴として、読者に強烈な印象を残しました。
そんな愚かな父から全てを奪われ、絶望に追いやられたロロナ。
しかし、彼女の物語は、ただの悲劇では終わりません。
彼女の「偽装死」の真相、そして彼女を裏切った者たちへの壮絶な復讐劇とは?
以下の記事で、物語の全ての謎が明らかになります。
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参考:『私が死んで満足ですか?』(著:マチバリ)アルファポリス公式サイト
原作者マチバリ氏の最新情報は公式活動報告をご覧ください。