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サッカーのショートカウンターとは、どういった戦術なのでしょうか?

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日本代表のハリルホジッチ監督が縦に速いサッカーを志向し、同時に攻撃方法としてショートカウンターという言葉も出てくる様になりました。

ショートカウンターは現在、最先端の攻撃戦術の一つであり、強豪チームはこぞって取り入れている雰囲気があります。

ただ…ハリルホジッチ率いる日本代表のショートカウンターは不完全であり、日本代表を弱体化させている要因の一つになっています。

あれは、単に運動量に任せて相手選手を追いかけまわしているだけで、戦術も何もあったものではありません。

関連記事:ハリルホジッチの戦術には全く期待できない…避けられない日本代表の弱体化。

さて、そんな守備戦術。ショートカウンターとはどういったものなのでしょうか?

従来のカウンターとは何が違うのか?解説してみたいと思います。

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高い位置でボールを奪い、最短最速でゴールを狙う戦術。

サッカーにおいてカウンターとは、相手チームの守備の態勢が整わないうちに、少人数で素早く相手ゴール前にボールを運び攻撃する戦術です。

従来のカウンターとは、相手チームに自陣に引き寄せて前掛かりになったところを突く戦術でした。

リトリートからのボール奪取から、前線へロングボールを送り、少人数でゴールを狙う。

これが従来の典型的なカウンターサッカーです。

相手チームよりも実力が劣る場合、負けない戦いを選択するのであれば、効果を発揮する戦術です。

南アフリカワールドカップで好成績を残した岡田監督率いる、日本代表が展開したサッカーでしたね。

最終ラインを低く設定し、フォワードの本田圭佑を除く選手は全員で守備を行い、松井大輔、大久保嘉人、本田圭佑の3人を中心に攻撃を仕掛けるカウンターサッカーでした。

それに対し、ショートカウンターとは相手チームよりも実力が上回っている場合、確実に勝ちにいく事を前提とした戦術方法です。

相手チームを自陣に引き寄せてからカウンターを行うのではなく、相手陣内から積極的に守備を行い、そこから仕掛けるのがショートカウンターです。

成功すれば圧倒的な破壊力がある戦術なのですが、失敗をすれば負うリスクも多い戦術でもあります。

ショートカウンターを普及させたのはレアル・マドリードではなくバルセロナ。

ショートカウンターを普及させたのは、ジョゼ・モウリーニョ率いるレアル・マドリードとよく言われていますが、それは違います。

ショートカウンターをいち早く取り入れたのは、グアルディオラが率いていたポゼッションサッカーを得意とするバルセロナでした。

当時のバルセロナは、ボールポゼッションから繰り出す遅攻ばかりが注目されていましたが、実は最優先していた攻撃方法はショートカウンターでした。

ボールポゼッションを高める攻撃は、ショートカウンターが失敗した時の2次的戦術であり、ショートカウンターを試合を通して行うための布石でもあったんです。

バルセロナはメッシ、イニエスタ、シャビなどの攻撃技術が優れた選手が多いですが、反面、体格面では他の強豪チームに見劣りし、守備面に問題を抱えていました。

空中戦などの競り合いでは中盤の選手では勝負にならず、自陣に押し込まれる展開になると一気に苦しくなるのが、バルセロナの特徴だったんです。

そこでバルセロナは、できる限り相手陣内でサッカーを行い、守備時間を減らす。

その解答がショートカウンターでした。

  • 最前線から複数人でプレスを掛けてボールを奪い返す。
  • ボールを奪い返したら、素早くカウンターを仕掛ける。
  • カウンターが失敗したら相手陣内でじっくりボールを回す。
  • ボールを奪われたら、また複数人でプレスを掛ける。
  • 以上を試合を通して繰り返すことがバルセロナの戦術。

ここで問題となるのが、最前線からのプレスの掛け方と選手の体力です。

相手陣内でボールを奪うことは至難です。なぜなら、必然的に相手陣内での守備は数的不利になるからです。

しかも、ビルドアップが難しくなれば、簡単に相手チームはロングボールを前線に送ってしまうという要因もあります。

ですので、相手陣内からボールを奪うためには、ボールを持つ相手選手に対する距離を詰めている状況でなければなりません。

しかも、1人ではなく2人以上の選手が一気にプレスを掛けないとボールは奪えません。

ショートカウンターを成功させるには、いかにボールホルダーに対して、複数人でプレスを素早く掛けられるかが問題となります。

バルセロナの場合、ボールポゼッションを高める為にショートパスを多用するのは理由がありました。

ショートパスを繰り返すことで、敵味方選手の距離感を短くしてしまう事です。

仮にバルセロナが相手陣内でボールを奪われたとしても、敵味方選手の距離感は短くなっているので、すぐに相手陣内から複数人でプレスを掛ける事が可能となります。

イニエスタ、メッシも激しいプレスを前線から仕掛けて、そこからショートカウンターを展開するシーンを何度も披露しています。

また、最前線から数的不利な状況で相手に複数人でプレスを仕掛けるのは、ものすごく体力を消耗するんですね。

いかにプロのサッカー選手でも、90分間を通してショートカウンターを仕掛けるのは不可能です。

ですので、バルセロナはショートカウンターのみを仕掛ける頻度を減らす為に、ボールポゼッションを高める事をしていました。

ボールをじっくり回す事で守備時のショートカウンターを仕掛ける為のハイプレスで消耗する体力を温存し、そしてその頻度を減らす。

バルセロナのポゼッションサッカーの狙いは、ショートカウンターを有効に機能させる為の一環に過ぎなかったんです。

ただ…そのポゼッションサッカーがあまりにも素晴らしすぎた為に、バルセロナのポゼッションサッカーの本質が曲解されて、サッカー界に知れ渡ります。

それは、日本も例外ではありませんでした…。

関連記事:ポゼッションサッカーを否定する風潮がどうもおかしい…日本代表に適した戦術の筈ですが…

ショートカウンターを実践するチームは少ないのが現状です。

ショートカウンタ-はサッカー界のトレンドの様になってますが、実は、既に採用するチームが少なくなっています。

鉄壁の守備力を誇るアトレティコ・マドリードも昔から採り入れていませんし、レアル・マドリード、バイエルン、マンチェスターシティ、チェルシーも採用していません。

採用している強豪クラブは、プレミアリーグのクロップ率いるリバプールとトッテナムくらいじゃないでしょうか?

関連記事:ユルゲン・クロップの代名詞でもあるゲーゲンプレスとは、どんな戦術なのでしょうか?

それだけ、ショートカウンターとは採用するには難しい戦術なんです。

何より、肉体的にも精神的にも消耗が激しいですし、選手全員に高い戦術理解力と走行距離が求められます。

また、選手のモチベーションを維持することに長けた監督でなければ、試合数の多い現代サッカーでは、遂行することが難しいでしょう。

日本代表を率いるハリルホジッチは、高い位置でボールを奪い、素早くショートカウンターを仕掛ける縦に速いサッカーを志向しています。

…ただ、あんなにハイプレスを継続すれば体力は劇的に消耗するでしょうし、ショートカウンターを続ければ、攻撃が疲労と共に雑になります。

ボールを奪い返しても、すぐに相手に奪われてまた守備に追われる…

最近の日本代表が後半に入ると、前半に比べて急激にパフォーマンスが失速し、失点率が増えるのは、ショートカウンターを多用しすぎるからです。

ショートカウンターを取り入れるならば、もう少し、体力の問題を考慮に入れなければなりません。

ショートカウンターは機能すれば破壊力はありますが、相応のデメリットがあるので、それを踏まえた対策をしていかないと機能しない戦術です。

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