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マンチェスターユナイテッドの迷走…崩されるアレックス・ファーガソンの哲学…

投稿日:2014年9月8日 更新日:

アレックス・ファーガソンが長年を掛けて築き上げたものが、簡単に崩されてしまうかもしれませんね。

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プレミアリーグの名門チームであり、世界に誇るビッグクラブである、マンチェスターユナイテッドが迷走しています。

今季は狂気とも言える高額な移籍金を費やし、アレックス・ファーガソンが長年に渡り築き上げたプレミア常勝チームである、マンチェスターユナイテッドの哲学を破壊しました。

成功の第一歩は若手の育成」と掲げた理念をあっさりと捨て、実績がある他チームのベテラン選手を常軌を逸した移籍金で獲得し、生え抜きの若手をバーゲン価格で売却を進めています。

因みに日本代表の香川真司もドルトムントに放出されました。

関連記事:香川真司の帰還!古巣ドルトムントに電撃復帰の理由は?

特にアカデミー出身の期待若手、ダニー・ウェルベックをライバルチームである、アーセナルに完全移籍で放出した事は、マンチェスターユナイテッドのOBは皆、頭を抱えているようです。

今季、同じプレミアリーグのQPRに移籍したベテラン、リオ・ファーディナントは、いつか後悔する日が来るだろう。とウェルベックの移籍について言及していました。

マンチェスターユナイテッドは、長期政権を築いたアレックス・ファーガソンが引退してから、大きな過渡期を迎えています。

ただ、その方向がどうも思わしくありません。正直、このままでは、マンチェスターユナイテッドは中堅・下位クラブに成り下がるのでは…?という印象も受けます。

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引退したアレックス・ファーガソンという監督の理念。

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香川真司をボルシアドルトムントから引き抜いた、アレックス・ファーガソンとはどんな監督だったのかを説明します。

スコットランドのクラブと代表で実績を作り、マンチェスターユナイテッドの監督に就任しました。

ただ、当時のマンチェスターユナイテッドは低迷しており、チームの士気も最悪。

トレーニング中に選手が飲酒をするなど、プロ意識のかけらもないチームでした。

「ここはフットボールクラブではない!ドリンキングクラブだ!」

と悲嘆し、この悪癖を一掃する為、徹底した規律を選手に植え付ける事が、マンチェスターユナイテッドの監督としてのキャリアスタートでした。

そして、監督を務めて3年後にイングランドで行われるカップ戦。FAカップで初優勝を成し遂げ、ここで初めてファーガソン監督はタイトルを獲得します。

この時を境に、マンチェスターユナイテッドはプレミアリーグ常勝軍団に変貌していきます。

1999年にはFAカップ、プレミアリーグ、UFFAチャンピオンズリーグの3タイトル獲得という偉業を達成しました。

その原動力となった選手はデヴィッド・ベッカム、ライアン・ギグス、ポール・スコールズ、フィリップ・ネビルなど、ファーガソンが育成に力を注いだ若手の選手達でした。

アレックス・ファーガソンが掲げる「成功の第一歩は若手の育成」の理念は、この時に芽が出たのだと思います。

全力で戦う姿勢がない選手はマンチェスターユナイテッドの選手では無い!

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アレックス・ファーガソンはマンチェスターユナイテッドの選手に対して、四六時中、クラブの為に全力で戦う姿勢を求めました。

ヘアードライヤーというあだ名を付けられる程、チームの選手をもの凄い剣幕で怒鳴りつける時もあったようです。

それはベテラン、若手選手にも分け隔てなく要求をします。試合に向けて、常に高いモチベーションをチームとして維持出来る様に努めていました。

スターティングメンバーの発表は試合の3日前に行う事で、ベテラン選手のコンディション調整に配慮していました。

また、スタメンに選ばれなかったベンチメンバーに対しても、何故、スタメンに起用されなかったか?理由を明確に伝えると共に、対戦相手によっては必ず起用するとも選手を鼓舞していました。

ファーガソンは、自分が選手時代にスタメンから漏れた辛さをよく知っているので、特にベンチメンバーに対する気遣いをしていたようです。

ただし、アレックス・ファーガソンはチームに対して、献身的な姿勢を見せない選手に対しては容赦はしない監督でした。

それが出来ない選手はどんなスター選手でも試合に起用しませんし、あっさりと放出してしまいます。

「息子以上の存在」と褒めたたえた、デビッド・ベッカムをあっさりとレアル・マドリードに放出しました。

ロッカ―ルームで自分の指示を守らなかったベッカムに、サッカ-シューズを蹴り付けた事件は有名ですよね。

当時のベッカムはサッカー選手としての名声を獲得し、私生活でもスパイスガールズのヴィクトリアとの交際をして、増長していた…とファーガソンは語っていました。

また、近年ではウェイン・ルーニ-の処遇について頭を痛めていたようです。

ファーガソンは引退間際にウェイン・ルーニーを放出するつもりだったとの事。

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近年のマンチェスターユナイテッドはウェイン・ルーニーのチーム。と世間では言われています。

関連記事:ウェイン・ルーニーのプレースタイルについて!

ただ、引退間際のアレックス・ファーガソンは、このルーニーの処遇について頭を痛めていました。

シーズンオフと共に増量する体重…。コンディション管理を年々、怠るようになったルーニーをアレックス・ファーガソンは冷遇するようになっていきます。

香川真司が加入し、アレックス・ファーガソンが最後にマンチェスターユナイテッドの指揮を取ったシーズンは、開幕戦でルーニーをスターティングメンバーに起用しませんでした。

スタメンで起用しなかった理由は、ルーニーのコンディションが万全ではなかったと説明しています。

そして、近年のルーニーは前後半の90分間を満足にプレー出来る選手ではない。と評価していました。

モイーズ、ファンファールと監督が変わった、最近のマンチェスターユナイテッドでは考えにくいかもしれませんが、ルーニーはファーガソンが最後に監督をした年は、ベンチスタートが多かったんですよ。

香川真司がマンチャスターユナイテッド初年度の前半に怪我を負わなければ、ルーニーは香川真司の出番によって、もっと出場機会が限られていたかもしれません。

しかも、その年のチャンピオンズリーグの決勝トーナメントで、レアルマドリードとのセカンドレグでは、ルーニーをベンチスタートさせるという驚きの采配もしています。

このように、ファーガソンは近年のルーニーをマンチェスターユナイテッドの選手としては、失格と見做しつつあったんです。

結局、アレックス・ファーガソンは監督生活をプレミアリーグ優勝で飾り、引退しました。ただ、ウェイン・ルーニーの処遇に関しては、先送りになってしまう結果となります。

デイビット・モイーズがマンチャスターユナイテッドを中堅チームに!

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アレックス・ファーガソンの後任は、中堅チームを長年、牽引してきたデイビッド・モイーズが引き継ぐ事になりました。

ただ、残念ながら彼は、中堅クラブとしての力量は評価があったようですが、常勝チームを率いるメンタリティがあまりにも足らなかった監督でした。

ファーガソンは四六時中、チームとして戦う姿勢を選手に植え付け、常勝チームとしてのモチベーションを維持する事に努めてきた監督です。

しかし、デイビッド・モイーズは中堅チームの監督らしく「如何に負けないチームを組織するか?」これがテーマの監督だったんです。

その消極的な姿勢にチームのベテラン選手達は、モイーズに対して懸念を抱くようになりました。

リオ・ファーディナント、パトリス・エブラ、ライアン・ギグスなどのベテラン選手は、モイーズの消極的な試合の戦い方に批判的になっていきます。

「アウェイとはいえ、何故?格下チームに対して、守備的に戦わなければならないのか?」

少しずつ、モイーズは選手達からの求心力を失い始めていきます。反面、エヴァートン時代に確執があったウェイン・ルーニーを特に優遇し始めます。

ただ、ルーニーは優遇されても、大したパフォーマンスを披露する事もなく、徐々に独りよがりなプレーを始めるようになります。

優勝した前年度はトップ下として、フォワードのファンペルシーに何度もアシストを行っていたのですが、監督がモイーズになると彼にパスを送る事なく、自分で点を取りにいくようになりました。

チームはルーニーだけではなく、他の選手も連携して攻撃するという姿勢はなくなり、各々が勝手な動きをするようになり、チームとしてバラバラになったしまいました。

そのシーズン、マンチェスターユナイテッドは前年度の優勝メンバーに加えて、約42億円のはたいてエヴァートンからアフロの大男を獲得。

そのシーズンの冬には、約60億円の大金をはたいて、チェルシーでジョゼ・モウリーニョに干されたファン・マタを獲得。

でも、結果はチャンピオンズリーグはおろか、ヨーロッパリーグ(ELリーグ)の出場権すら与えられない、7位という散々な順位でシーズンを終える事になります。

そして、アレックス・ファーガソンの後任のデイヴィッド・モイーズはシーズンを終える事なく、古巣エヴァートンに惨敗した直後に解任…。

そのシーズンは、マンチェスターユナイテッドにとって不名誉な記録を次々と更新する惨憺たる年になってしまいました…。

オランダ代表を3位に押し上げ、鳴り物入りで入団したルイス・ファンファールでしたが…

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今年に行われたブラジルワールドカップで、オランダ代表を斬新な3バック戦術で3位に押し上げたルイス・ファンファールがマンチェスターユナイテッドの新監督に就任しました。

ワールドカップ、プレシーズンマッチの結果から、今季のマンチェスターユナイテッドはかなり周囲から期待されていました。

関連記事:ファンファールの冴えわたる戦術!オランダの躍進を支える名監督!

期待されていましたが、シーズンが始まると一気に評価は急落しました。

ホームのオールド・トラッフォードの初戦。いきなり、格下のスウォンジーに黒星。

次節のサンダーランド戦は引分け。あろうことか、キャピタル・ワン・カップは2軍主体とはいえ、3部のMKドンズに4-0の惨敗…

対戦相手はマンチェスターユナイテッドよりも、格下相手で未だに勝利がないファンファールに懸念の声が出始めてきています。

マンチェスターユナイテッドの上層部やオーナーのグレーザー兄弟は、何が何でも今季はチャンピオンズリーグの出場権が欲しいらしく、なりふり構わない補強を進めています。

更にチームはルイス・ファンファールの悪い面がかなり浸透しているようで、優遇する選手と冷遇する選手を明確に線引きをし始めて、チームの雰囲気はあまりよくないようですね。

しかも、昨年度に約60億円で獲得したファン・マタをスタメンから外し、冬にはユベントスに売却するという話も出ています。

関連記事:マンチェスターユナイテッドのスタメンはどうするの?60億移籍のマタはベンチに?

ディマリア、ファルカオと有名選手が相次いで、マンチェスターユナイテッドに入団してきましたが、上手く機能するかは未知数です。

ディマリアは早速、サンダーランド戦に出場しましたが、全く周囲の選手と噛みあっておらず、ファンファールからは、「いつものディマリアではない」と評価されてしまいました。

…ディマリアが悪いのではなく、好き勝手にプレーする他のメンバーが悪いのでは?とわたしは思ったのですが…。

有力ベテラン選手を買い漁るマンチェスターユナイテッド…

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ディマリア、ファルカオ、そして大金をはたいて加入したベテラン有力選手達をファンファールをどのようにチームとして組織していくんでしょうね。

もう、シーズンは始まっています。そして、プレミアリーグは中堅、下位チームでも実力があるチームが多いので、チーム構成をテストする余裕もないですよね。

しばらくは、下位チームとの対戦が続きますが、その後に連続して上位チームとの対戦が待っています。

次戦こそは、必ず勝利して勝ち点を稼いでおかないと、本当にマズイですよ。

チェルシー、マンチャスターシティ、リバプール、アーセナル、トッテナム、エヴァートンなどの強豪チームとチャンピオンズリーグの出場権利がある4位以内を争うのは、不利になります。

そして、今季にまたチャンピオンズリーグの出場権を逃したら、スポンサーの契約条件により撤退され、資金繰りに苦しむ事になるでしょう。

まあ、そんな状況になったら、有力ベテラン選手はどんどんマンチェスターユナイテッドから出ていくでしょうね。

その先にマンチェスターユナイテッドに待ち受けているのは、中堅・下位チームという烙印です。

マンチェスターユナイテッドと共に、アレックス・ファーガソンが長年を掛けて築き上げた「成功の第一歩は若手の育成」のという哲学は、あっさりと崩されてしまいました。

先日のユーロ2014の予選で、イングランド代表のダニー・ウェルベックが、スイス代表を相手に2得点を叩き出す大活躍をしました。

マンチェスターユナイテッドが、バーゲン価格でライバルチームのアーセナルに売り飛ばした、期待の若手だったダニー・ウェルベックが大活躍するとは、なんとも皮肉な話ですね。

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