香川真司のドルトムントが不調…ブンデスで勝てないクロップは解任か?
投稿日:2014年10月26日 更新日:
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香川真司のドルトムント不調により、クロップは解任されるのでしょうか?
ドルトムントが今季のブンデスリーグで4連敗を喫しました。
監督であるユルゲン・クロップも、ドルトムントを率いてから、経験した事がない焦燥感を抱いている筈です。
ハノーファーに所属する清武弘嗣にFKを決められ、そのスコアを守り抜かれたドルトムントが泥沼の4連敗を記録しています。
結果、ドルトムントはまだシーズンが始まったばかりですが、降格圏の位置にまで順位が下がってきました。
チャンピオンズ・リーグでは、未だ圧倒的な強さを見せつけ、全勝をキープしていますが、何故か、ブンデスリーグでは勝ち星に恵まれません。
もし、このまま低調を脱しきれず、チャンピオンズ・リーグでも調子を崩してしまった場合、監督のユルゲン・クロップの采配に懸念が立つ事になりかねません。
最悪の場合、解任…という可能性も考えれます。
今まで、クロップの采配は長所ばかりが目立ち、稀代の名監督と世間では評価されてきましたが、チームの低調から色々と短所も見えてきた印象が見受けられます。
前回も公開しましたが、香川真司が所属するドルトムントの不調の原因を今一度、考えてみたいと思います。
関連記事:ゲーゲンプレスが不完全…香川真司は好調だけど、ドルトムントが絶不調…
クロップの采配に問題があるのか?それとも、他の外部要因に依るものなのか?公開してみます。
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主力メンバーが復帰しても、パフォーマンスが改善されないドルトムント…
今季、香川真司が加入したドルトムントは例年の如く、昨シーズンのドイツ王者であるバイエルン・ミュンヘンの対抗馬として評価されていました。
例年、レベルが上がっていると言われているブンデスリーグでも、結局はバイエルン・ミュンヘンとボルシア・ドルトムントの2強!と認識されている筈です。
ところが、開幕から現在まで、ドルトムントは勝ち星に恵まれず、信じられない位に調子を落としています。
ただ、本当に調子を落としているだけなのか?と考えざるを得ないところもあるのが事実です。
序盤から主力メンバーである、イルカイ・ギュンドアン、マルコ・ロイス、マッツ・フンメルスが怪我をしている為に欠場。
そして、昨シーズンまでエース級のプレーをしていたレヴァドンフスキが、バイエルン・ミュンヘンに移籍したという状況は厳しかったという状況はあると思います。
ただ、最近になり、上記の主力メンバーがチームに復帰し、ドルトムントのパフォーマンスが改善されると思いきや、一向に状況は変わりません。
また、復帰した香川真司も調子は悪くないのですが、過去に得点を量産したパフォーマンスは鳴りを潜め、専ら、ゲームメイカーとして振る舞っているのが現状です。
ドルトムントのお家芸であるゲーゲンプレスが対策されている?
ドルトムントの主力メンバーは、ブンデスリーグを2連覇した時から、マリオ・ゲッツェ、ロベルト・レヴァドンフスキしか離脱はしていません。
ヌリ・シャヒン、香川真司も復帰したので、そんなにチーム力は落ちてはいない筈なんですが、何故かブンデスリーグでは勝利に恵まれません。
わたしが見て、一番に勝てない理由に思い至ったのが、ゲーゲンプレスが殆どブンデスリーグに所属するチームに効いていないという事です。
ゲーゲンプレスの仕組みをシンプルに説明しますと、高い位置で相手にプレスを掛けてボールを奪い、守備を構築させる間もなく、ゴールを獲得するというやり方です。
詳細記事:香川真司が所属するドルトムントのゲーゲンプレスって何?
このゲーゲンプレスはブンデスリーグだけでなく、欧州の強豪にも破壊的な威力を発揮し、2年前はチャンピオンズ・リーグで準優勝するまでの成績を収めました。
ところが、最近のブンデスリーグのチームは相当にこのゲーゲンプレスの対策を施しているという印象を受けます。
ドルトムントと対戦してきたブンデスリーグのチームは、最終ラインを低く保ち、逆にドルトムントの選手を自陣に誘い込み、ゲーゲンプレスの弱点を付いてきています。
高い位置でプレスを掛けるといる事は、最終ラインを高く保たねば、中盤にスペースが生まれてします。ですので、ゲーゲンプレスを仕掛けるドルトムントの最終ラインはかなり高いです。
その為、対戦相手のチームはドルトムントの高い最終ラインの裏を狙う、ロングボールを執拗に狙っているんです。
今季のドルトムントの失点は、9試合で15失点とハイペースで失点を重ねています。
ただ、ゲーゲンプレスが対策は昨シーズンも行われていた筈ですが、今季のように対処されてはいなかったんです。
ラモスとインモービレは、まだゲーゲンプレスを理解していないのでは?
対策がされたゲーゲンプレスは時代遅れ…という事は無い筈です。ゲーゲンプレスが対策されたというよりも、今季のドルトムントのゲーゲンプレスが昨シーズンよりも機能していない。
というのが正解とわたしは考えています。機能していない原因は、ゲーゲンプレスの起点になる最前線の選手です。
レヴァドンフスキが抜けた最前線の代役にインモービレとラモスが移籍してきました。ただ、この2名がゲーゲンプレスをよく理解していないのかもしれません。
彼らの何が悪いのかというと、簡単に言いますと相手チームの最終ラインにいる選手に対するプレスが甘いという事です。
相手チームの最終ラインの選手への寄せが甘いので、効果的なロングフィードを許してしまい、ドルトムントの高い最終ラインの裏を簡単に突かれているんです。
逆に、中盤以降の選手達は、ゲーゲンプレスの動きを忠実にこなしており、特に問題がないと考えていいと思います。
その証拠にチャンピオンズ・リーグで対戦するチームは、攻撃時のビルドアップにロングボールを多様せず、ショートパスで繋げてくるチームばかりでした。
丁寧にボールを繋げてくるので、中盤以降の選手達が面白いようにボールを奪い、チームとしてゲーゲンプレスが機能した結果、現在まで全勝という結果を出しています。
ただ、ブンデスリーグの対戦チームは最終ラインを低く保ち、最終ラインからのロングフィードを多用するので、そこを抑えきれていない為、チームのリズムが悪いのだと思います。
攻守ともに、レヴァドンフスキの抜けた穴は大きい…
チームを支え続けた功労者のレヴァドンフスキ、ゲッツェが移籍し、代わりに新戦力が加入してきました。
ただ、上記2名の代わりに加入した選手は軒並み、穴を埋め切れていないというか小粒感が否めません。
ムヒタリアン、オーバメヤン、インモービレ、ラモス…ワールドクラスのタレントであるレヴァドンフスキ、ゲッツェに比較すると、明らかに実力が劣る選手達です。
特にレヴァドンフスキが抜けた穴は、攻守ともに大きいです。
守備ではゲーゲンプレスの起点となり、的確なプレスで鋭いショートカウンターを成功させていました。
攻撃ではショートカウンターが出来ない場面で、最前線でタメを作り、2列目の選手の動きを引き出しながら、要所では決定的なゴールを決めていました。
ところが、現在のドルトムントは最前線でのプレスは的確ではなく、攻撃でも自陣に引かれた相手に対して、2列目を交えた厚い攻撃が出来ていないので苦労しています。
インモービレ、ラモスも個人技はありますが、味方を動きを引き出すようなプレーが出来ない選手達なので、連動性がなく、個人技頼りの単調な攻撃がドルトムントに目立つようになりました。
やっぱり、レヴァドンフスキの抜けた穴は大きいですね…実はドルトムントのキーパーソンは彼だったという事が浮き彫りになっています。
クロップが原因ではなく、チームが過渡期を迎えているのが不調の原因では?
上述した様に、ゲーゲンプレスというよりも、攻守のキーパーソンだったレヴァドンフスキが抜け、ドルトムントは新戦力の選手を率いて試合に臨む状況になっています。
実は、今はチームのエースである、マルコ・ロイスも加入当初はゲーゲンプレスに適応できず、苦しんでいました。
香川真司がマンチェスターユナイテッドに移籍し、代わりにロイスが加入しましたが、その時もドルトムントは序盤のリズムが悪かったんです。
香川真司が抜けた事により、ゲーゲンプレスが甘くなったと指摘されていました。ただ、そこはロイスのタレント力で補い、徐々に調子を上げていきました。
ですので、インモービレとラモスも、もう少し時間を与えればチームを機能させるパフォーマンスを披露するかもしれません。
そう考えると、現在のドルトムントはチームとして過渡期を迎えていて、ちょっと運にも見放されている為、調子を落しているだけのでは?とわたしは思っています。
だから、現在の順位をだけを考えて、監督のユルゲン・クロップが更迭される事は、まず無いでしょう。
チームのタレントもロイス、香川真司、ギュンドアン、フンメルスと申し分はないので、最終的には優勝は無理でも、それなりの順位につけていると思います。
もう少し、長い目でドルトムントの今後を見守りましょう。
執筆者:pokapoka