サッカー 香川真司

ユルゲン・クロップの代名詞でもあるゲーゲンプレスとは、どんな戦術なのでしょうか?

投稿日:2014年9月18日 更新日:

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『ボールを奪う場所を意図的に限定させてしまうのが、ゲーゲン・プレスという戦術です』

強かったですね。ボルシア・ドルトムント。

 

かつて、ブンデスリーグの2連覇を成し遂げたドルトムントの強さの秘訣は、監督のユルゲン・クロップが選手に浸透させた『ゲーゲンプレス』によるものです。

現在、プレミアリーグのリバプールの監督としてクロップは辣腕を奮っています。

ようやくチームとしてゲーゲン・プレスが機能しはじめ、プレミアリーグの強豪と熾烈な上位争いを演じています。

今回はユルゲンクロップのお家芸、ゲーゲンプレスとは何か?それを公開します。

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欧州震撼!ドルトムントのゲーゲンプレス!

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結論から言って、ゲーゲンプレスとは攻守、いや『守攻(こんな日本語はないですが…)の切り替えを劇的に速くする戦術の事』です。

相手ボールになった時点で、ドルトムントの選手はボールホルダーに数人掛かりでフォア・チェックに向かいます。

そして、ボールを奪い返した後、すぐさま、ショートカウンターに移ります。

そのショートカウンターは圧巻の一言。

ボールを奪った後、あっという間に相手ゴール前まで、ドルトムントの選手が殺到します。

リバプールでも同じ様な光景が見て取れます。

ゲーゲンプレスを仕掛けられた相手は、守備の態勢を整える前に、次から次へと選手がスペースを突いてくるので、対応に苦労するんです。

そして、気が付いたら、ゴール前で数的不利に持ち込まれ得点を許してしまいます。

このゲーゲンプレスの餌食となったチームは、ブンデスリーグに留まらず、欧州各リーグの名門チームもやられています。

2シーズン前のチャンピオンズリーグ準決勝で、あのジョゼ・モウリーニョ率いるレアル・マドリードもゲーゲン・プレスに成す術がなく、敗れ去りました。

香川真司が所属していた時にブンデスリーグを2連覇に導いた、ボルシア・ドルトムントのゲーゲンプレスは欧州の頂点でも、大暴れする事になり、各チームを震撼させました。

革新的なゲーゲンプレスという戦術方法!

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サッカーにおける勝利のコンセプトはシンプルです。高い位置でボールを奪い、失点のリスクを減らし、得点のチャンスを増やすという事です。

言葉にするのは簡単です。しかし、何百億というお金が動くプロサッカークラブが、勝利だけの為に、選手を補強し、戦術分析に日々、努めています。

超一流のプロサッカークラブが同じ事を考え、同じ事を阻止しようとしている。だからこそ、上述したコンセプトを実現させる事は困難を極めます。

困難を極めていたんですが、あまりにもゲーゲン・プレスは革新的な戦術ゆえに、そのコンセプトを高い確率で実現させているんです。

高い位置でどうやって、ボールを相手から奪うのか?

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サッカーの勝利のコンセプト第一条件、高い位置でボールを奪う。コレが先ず困難な仕事です。

高い位置でボールを奪う、つまり相手陣内の深い位置でボールを奪うという事は、2部、3部のクラブ相手でも難しいでしょう。

何故なら、ボールを奪われそうになると、あっさりとクリアーされてしまうからです。

では、超一流の名門チーム場合は?安易にクリアーをしないで、ボールを細かく繋いでくるでしょう。

数人掛かりでボールを奪いに行っても、高い技術に裏打ちされたパス交換で簡単に捌かれてしまいます。

しかも、人数を掛けて、ボールを奪いに行った結果、失敗した場合は自陣内がガラ空きになり、一気に数的不利に陥り、失点のリスクを負う事になります。

ただ、ゲーゲンプレスは高確率で、高い位置から相手ボールを奪う事を可能にさせてしまうんです。

相手ボールになった時がチャンス!そこから仕掛けるゲーゲンプレス!

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上述したように、高い位置、つまり相手陣内の深いところでボールを奪う事は限りなく困難です。

では、それを可能にする為にはどうすればいいのでしょうか?

その答えは、ボールを奪う場所を自分達でコントロールしてしまえばいいのです。

極論で言うと、相手にボールを渡す場所を事前に決めてしまい、その箇所に選手がプレスを仕掛ける準備を行うという事です。

ゲーゲンプレスを仕掛ける基本パターンは、最終ラインから前線への配球からスタートします。

典型的なパターンは、最終ラインにいるマッツ・フンメルスが去年まで在籍していた、レヴァドンフスキに目掛けてロングボールを放り込む事から始まります。

この時、そのボールがレヴァドンフスキに収まるか、収まらないか?あんまり、ドルトムントの選手達には関係ありません。

問題は、CFのレヴァドンフスキにロングボールが放たれたという事。

ロングボールはその名の通り、遠くからやってくるボールなので、浮き球が多いです。そして、その浮き球を上手くトラップして、ボールを収めるのは一流選手でも困難です。

ですので、レヴァドンフスキが上手く浮き球を処理できず、相手ボールになる確率は十分にあります。

ただ、ドルトムントの選手達にとっては、ココがチャンスなんです!この意味分かりますか?

レヴァドンフスキにロングボールが渡った時、ドルトムント伝家の宝刀!ゲーゲンプレスのスイッチが入るんです。

レヴァドンフスキのトラップミス、及び相手との競り合いでボールを奪われたとしても、その位置にドルトムント選手が、激しいプレスを数人掛かりで行う意識が共有されています。

同時にプレスを掛けてボールを奪い返した後、瞬時にショートカウンターを行う一連の動作までもが共有されているんです。

もう、説明は十分ですよね。この戦術によって、欧州の名門チームは苦しめられる事になりました。

ゲーゲンプレスが機能しなかった場合は?

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凄まじい破壊力のあるゲーゲンプレスですが、実戦では毎回、効果的にプレスが掛かる訳ではないというのが現実です。

ただ、ゲーゲンプレスという戦術は、

ボールを奪われてから仕掛けるのではなく、攻撃時から仕掛ける方法です。

味方の守備陣形が整っていない内に仕掛けるプレスではなく、必ず守備陣形が整っている事を確認してから、仕掛ける戦術の為、前線のプレスがかわされたとしても、最終ラインとボランチがしっかりとスペースをケアしているので、決定的なチャンスを相手には与えません。

ゲーゲンプレスが機能しなかった場合は、自陣にキッチリと選手が戻り、守備を行います。

また、ゲーゲンプレスを仕掛けた時、上手くボールを奪取できたとしても、ショートカウンターが行えない場合もあります。

その場合はムリに崩そうとはせず、大体はボランチのイルカイ・ギュンドアンを中心にサイドアタック、パス&ムーブを多用して、じっくりと攻めていきます。

昨シーズンはレヴァドンフスキのポストプレイから、ギュンドアンにボールが渡り、サイドへ展開。という攻め方がモデルケースになると思います。

グアルディオラが監督だった頃のバルセロナに通用するか見たかったです。

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ドルトムントのゲーゲンプレスが、グアルディオラが監督だった頃のバルセロナに効果があったのか?

それが観たかったです。シャビ、イニエスタ、ブスケッツが中心となる究極のポゼッションサッカーに、ゲーゲン・プレスがどこまで効果を見せるのか?

もう実現する事がないのが残念です。ただ、グアルディオラは同リーグでバイエルン・ミュンヘンを率いていますが、あの頃のバルセロナとは比較が出来ないチームです。

現在のバイエルン・ミュンヘンには、シャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタに匹敵するクオリティを持った中盤の選手はいませんので…。

チアゴ・アルカンタラ、マリオ・ゲッツェという優秀な若手がいますが、まだ、彼らの域にまでは到達していません。それどころか、一生、到達できない可能性もあります。

だからこそ、ドルトムントのゲーゲンプレスが、かつてのバルセロナにどこまで通用出来たのか?観たかったですね。

リバプールでも着実に浸透しつつある、ゲーゲンプレス!

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ユルゲン・クロップはドルトムント引退し、リバプールを率いる様になりましたが、彼の代名詞でもあるゲーゲンプレスは、このチームに着実に浸透しつつあります。

プレミアリーグ2016-2017の現在、11月の時点でリバプールは首位をキープ。

なだれ込む様に敵陣へ殺到するゲーゲンプレスがプレミアリーグでも炸裂し、近年でリバプールは最も強いチームになっていると思います。

マネ、フィルミーノ、コウチーニョ、ヘンダーソン、ララーナが得点を量産し、誰からでも点が取れる破壊力抜群の攻撃力を誇っている状態です。

走行距離も全チームでNo.1というデータからも分かる様に、前線からひたすらプレスを掛けて、ボールを奪ったら畳みかける様にショートカウンターが小気味よいほど機能してますね。

ドルトムントからリバプールにチームを変えましたが、ゲーゲンプレスは普遍性のある脅威の守備戦術でもあり、攻撃戦術である事は間違いありません。

-サッカー, 香川真司

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