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ルイス・エンリケとグアルディオラが率いたバルセロナのサッカーは何が違うのか?

投稿日:2014年10月31日 更新日:

ルイス・エンリケとグアルディオラが率いたバルセロナを比較しました。

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リーガ・エスパニューラに所属するサッカークラブ、FCバルセロナが転換期を迎えています。

ティキタカを用いたポゼッションサッカーで全盛期を迎えたバルセロナは、当時の監督グアルディオラ、長年、バルセロナを支えた主将プジョルがチームから離れました。

また、ティキタカのコンダクターともいえる、シャビが加齢により出番を減らし、同じく中盤を支配していたイニエスタも30歳を迎え、バルセロナは変化を求められています。

新戦力にはネイマール、ルイス・スアレスという世界屈指のプレイヤーが加わりました、更に中盤では、シャビに代わりラキティッチ、最終ラインにはマテューが補強されています。

前線から最終ラインまで、グアルディオラのバルセロナと大きくメンバーが変わりました。

今回は、転換期を迎えたバルセロナが全盛期と比較し、どの様に変化したのかを公開します。

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前線はウィングを廃止?両サイドがより中に搾る陣形に!

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ルイス・エンリケが監督になってからも、グアルディオラ監督のバルセロナが採用した4-3-3のフォーメーションは変化していません。

ただ、最前線の3人のポジショニングとタスクが変化しています。

ポジションは左からネイマール、メッシ、スアレス(ムニルorペドロ)という配置ですが、両サイドのネイマール、スアレスはそれほど、両サイドに開く事はありません。

ネイマール、スアレスはウイングというよりも、2トップのフォワードという役割の方が近いのでは?

そして、センターのメッシはネイマール、スアレスよりも前へ出る事はなく、むしろ後方に下がり、トップ下の役割を担っている様にも見えます。

グアルディオラのバルセロナは、対戦相手が中央を固めて来る相手に対し、サイドを有効に使い、敵をサイドに釣り出す為に、両サイドのウイングはサイドライン付近まで開いていました。

ですが、現在はネイマール、スアレスという強力なストライカーの存在もあると思いますが、「相手を引き付けて、じっくり崩す」という形よりも、手数を掛けずに一気に崩す。という形が増えてきています。

中盤は縦に早く、守備はバランスを重視する形に。

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バルセロナの中盤はシンプルに言うと、以前よりもオーソドックスに変化しました。まず、グアルディオラが率いたバルセロナの中盤と代名詞になったティキタカを解説します。

グアルディオラ時代のバルセロナお家芸だったティキタカは、その戦術を構成させる為に、中盤のイニエスタ、シャビ、ブスケッツは選手間を狭くするポジションニングを行っていました。

攻撃時はボール保持率を長くして、相手のプレスをかわしながらじっくりと攻めていたんです。

バルセロナのティキタカは、守備にも2つの利点を齎しました。1つ目は、ボール保持時間を長くする事で、守備の時間を減らせる事です。

バルセロナの中盤は攻撃力は高いのは自明の理ですが、守備力は個々で考えると、お世辞にも高いとは言えませんでした。

特にイニエスタ、シャビのフィジカルはプロ選手では弱い方で、屈強なフィジカルを持つ、欧州の強豪チームに対して、中盤の守備はバルセロナの弱点でした。

ただ、ティキタカにより、ボール保持時間を高める事によって、守備の時間を減らし、弱点である中盤の守備力を補っていました。

2つ目の利点は、ティキタカにより、ボール周辺に選手が固まっているので、ボールを奪われても、すぐに複数人でプレスを掛けられる事でした。

当時のバルセロナの攻撃方法は、まず、高い位置でのボール奪取→ショートカウンター。それが失敗した場合は、ティキタカによるポゼッションを高めた遅攻。という流れです。

ティキタカ→高い位置でのボール奪取→ショートカウンター→ゴールor失敗→ティキタカ。

これがスムーズにバルセロナが行えている時は、ゲームを完全に支配している状況でした。

ここで重要なのが、バルセロナの攻撃最優先順位はショートカウンター、次にティキタカという順番です。

ここをはき違えて理解したサッカー関係者が多いです。ティキタカの華やかさだけに注目し、それを攻撃方法の最優先に採り入れてしまったのが、Jリーグの関係者と複数のチームです。

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結果、「サッカーは綺麗にパスを繋ぐスポーツで、その過程にゴールがある。」と勘違いをした結末が、日本サッカー若年層の衰退を招いています。

話が逸れたので戻しますが、グアルディオラが率いたバルセロナの中盤は、攻守のバランスを考えた結果、選手間の距離を狭め、自分達の強みを最大限に引き出していました。

ここまで、ちょっと長くなりましたが、現在のルイス・エンリケが率いるバルセロナの中盤は、どのように変化したのかというと、一言で表すと、選手間の距離が広くなりました。

選手間の距離が広くなり、以前のバルセロナの様なティキタカは行わず、より縦に早く、ボールを展開するようになっています。

また、守備に関しては、選手間の距離が広くなったので、複数人による高い位置でのプレスの効力は弱くなっています。

ただ、その分、後ろに対する意識が高くなり、以前よりもカウンター対策が組織されているという印象を受けます。

ティキタカはボールを奪われた後、すぐに複数人でプレスを掛けられるのが強みでしたが、逆に複数人のプレスをかわされると、一気に危険なカウンターを招くリスクを抱えていました。

当時のバルセロナ攻略方法は、このハイプレスを如何にかわして、カウンターに持ち込むのか?それがテーマだったんです。

ただ、その攻略方法は現在のバルセロナには効果的ではありません。明らかにルイス・エンリケ率いるバルセロナはカウンター対策に力を入れています。

また、シャビに代わりスタメンで起用されているラキティッチは、シャビよりも技術や戦術眼はありませんが、豊富な運動量で現在のバルセロナを攻守で支えています。

このように、バルセロナの中盤は変化しました。

カウンター対策が徹底され、失点が激減した最終ライン!

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現在のバルセロナの新たなセンターバックに30歳のジェレミー・マテューが加わりました。

マテューの加入はバルセロナにとって嬉しすぎる誤算だったと思います。

バルセロナという特殊なチーム事情により、このチームでセンターバックを務める事が出来る選手を探すのは世界一、難しいといっても過言ではない筈です。

オフェンシブなチームなので、強烈なカウンターに少数で対応が出来て、なおかつ、高い位置でミスを犯さず、ボール回しが出来る高度な足元の技術を持つ選手でなければ務まりません。

関連記事:サッカー界でセンターバックが不足している?多様化しているその役割が理由か?

1対1に強いとか、パスカットが上手いとかだけでは、バルセロナのセンターバックは無理なんです。

そんなバルセロナにバレンシアから、30歳のセンターバックが2000万ユーロで加入をしてきました。

知名度も低く、この年齢で2000万ユーロで加入させるメリットは?と当初は疑問視されたようですが、蓋を開けてみれば、高さ、強さ、早さの3拍子が揃っていて、同時に足元も上手い選手でした。

そのパフォーマンスは、グアルディオラ時代から最終ラインの要だった、ジェラール・ピケをベンチに追いやる活躍を見せています。

さて、バルセロナの最終ラインは、そんなマテューが加わり、長年の懸案だったプジョルの抜けた穴を完璧に埋める事が出来ました。

そして、懸案事項のカウンター対策も、全盛時のバルセロナと比べ、強化されています。

その対策は数字にも効果が出ていて、現在、9試合を消化して失点がたったの3点です。

7試合目までは無失点という驚異の結果を出している事から考えると、バルセロナの守備はかなり改善されています。

ただ、まだ序盤なので今後は分かりませんが、以前と同じようなバルセロナ攻略方法はもう、効果的ではありません。

現在のバルセロナのカウンター対策は、攻撃時に最終ラインには、必ず3人は残すようにしています。

全盛時のバルセロナは、両サイドバックのダニエウ・アウベス、エリック・アビダルが積極的に前線に上り、最終ラインは2人のセンターバックで対応するという形でした。

そして、相手チームのカウンターは必ずといっても言いほど、両サイドバックのスペースを突かれ、2人のセンターバックである、プジョルとピケの距離を開かせた結果、その間の隙を突かれて失点に繋がっていたというパターンでした。

しかし、現在は最終ラインに3人の選手を残す事で、サイドバックのスペースを突かれたカウンターに晒されても、3人の内、1人がサイドにチェックに行き、残りの2人がセンターをしっかり占めるという形を取っています。

このスタイルが功を奏しているという事は明確に分かります。

以上の様に、ルイス・エンリケが率いるバルセロナはグアルディオラ時代と比べ、明らかに変化しました。

ただ、それでもグアルディオラ監督時のバルセロナが強すぎた為、もう越える事は出来ないという見方が多いです。

タレントは現在の方がスゴイですけどね…ですが、個人の才能だけでは勝てないのが、サッカーの醍醐味です。

今後のバルセロナに注目したいです。

※ 現在、ルイス・スアレスを中心として、黄金期に勝るとも劣らないチームに成長しました。

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